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2006年06月28日

県WAN落札業者いまだ公表されず

6月14日に3社の開札があった。あれから2週間経過したが、未だに落札業者が公表されない。
それにしても、○○○○な開札結果であった。
県が公表するまでは真実を話せないが、このような入札がまかり通るならこの国には○○も○○○○も○○も要らない。

シンドラー社製エレベータの被害が官庁関係にも多く出ている。入札制度の悪い面の弊害で、安かろう悪かろうの典型がシンドラー事件である。
一定の品質やサービスレベルを確保するには、それなりのコストがかかる。それをそのまま入札価格に反映すれば負ける場合があるので、ぎりぎりまでコスト削減の企業努力をする。
そこまでは健全である。
しかし、落札したいがために明らかに採算度外視と思料される金額で札を入れたとしたら、どうだろうか。
最低落札価格設定はその品質確保の手段であり、安ければ良いという入札制度には困ったものだ。

昔、1円入札で問題になったことがあった。赤字でもその仕事を受注しておけばその後があるから取り返せる、という企業論理だった。
未来永劫1円でサービスし続けることは民間企業としては無理なので、有利な条件を利用してどこかで元を取るはずであり、その時に実は高い買い物をすることがある。

今回の県WANを格安で落札する事業者は、県庁以外のユーザから取り返さざるを得ないので、県民にとっては高い買い物をすることになりかねない。
できれば他県で回収してもらいたいが、技術的には横展開という意義はないので、それは期待できない。
いろいろな意味で全国の注目を集めている長野県なので、、という広告費にしては高くついているはず。

あの開札結果は、ネットワークコモンズなんていう奇麗事では済まされない意味深い金額なのである。
県予算が節減できた分、県民にそのしわ寄せがいくことがないようにしてもらいたいが、入札は県庁負担分のみが対象で、市町村独自分や民間分は入っていない。

県には、1年前に各社が常識的な価格として設計、提案した金額、内容と、今回各社が出したサービス内容、金額とを比較精査して、
本当にその金額で安全なネットワークサービスを提供可能なのかを吟味してもらいたい。
いくら技術革新が激しいからと言って、1年間で5分の一や10分の一の金額になるのは非常識、不可能ではないか。
それが可能なら、1年前に明細付きで県に提出した金額は何だったのか。県を○したと思われても仕方ない手法ではないか。正直者が○○をみた。

それが可能なら、2010年を待たずに、2007年には県内全市町村でFTTHサービスができるはずである。
信州のような田舎で可能なら、2010年には全国の6000万/6000万世帯で可能なはずである。

仮に格安価格で他社が落札したとしたら、それと同じ価格でJANISへのサービスを要求しようと思う。
県内の全ての企業や個人がそういう要求をしたらどうだろうか。
それを受け入れてくれれば脱帽であるが、そんなことは99.9%有り得ない夢なのである。

うまい話にはご用心を。

3000万/6000万世帯しか光サービスを展開しないようなので、残り3000万世帯の代表として知恵を出していくつもり。
まだ負けてはいないが、この悔しさをバネに、JANISらしく、パイオニア精神で新たな挑戦!と行きたいものである。

投稿者 佐藤 : 18:33 | コメント (2) | トラックバック

2006年06月22日

日経ニューメディア緊急セミナーで難視聴地域を代弁

6月19日、日経ニューメディア主催のセミナーがあり、通信業界と放送業界に協力を要請した。
動き出す地上デジタルのIP再送信、通信業界の本音に迫る!
実現に向けて放送技術、受信技術、著作権処理ルールの統一にどう取り組むか


NTT持株会社の出口担当部長からは、Bフレッツの自慢話とその上のIPV6マルチキャスト網で実現するIP放送の事例紹介があった。
三鷹市の一部の建物で、地上デジタル番組をIP放送した実験経過も説明された。
実験は、Air受信したMPEG2-TSのプロトコルスタックをそのままIPV6網に載せてSTBまで配信し、そこでMPEG2-TSを取り出してTVに映し出していた。
この実験そのものはそれなりに評価できるが、以下の理由から、地デジIP配信のゴールとは程遠い印象を受けた。
1.より圧縮効率の高いH.264技術を利用していない。
2.Air受信するMPEG-2からH.264への変換技術についてその実現可能性についてすら触れていない。
3.20Mbps以上の帯域を必要とするので、メタル回線ではサービスできない。
これらについてパネル討論でも改めて出口さんに質問したが、それらに関する回答は残念ながら得られなかった。

MPEG2-TSのAir信号を受けてH.264に変換するしか放送局の理解を得られない、という現状認識のようであるが、
H.264技術をより効果的に生かすためには、放送局でのHD-SDI信号(ハイビジョン映像信号)を、MPEG2-TS信号でなくH.264-TS信号に変換することを放送局に要求すべきなのである。
Air受信からではなく、放送局内でH.264信号をもらい、それを通信回線で配信することを検討すべきである。
その意味で、MPEG2-TSしか扱っていない三鷹の実験は、自慢話にはなるが、国民へのメリットはない。

次に、何をやるにも光回線しか頭にないことも問題である。
6000万/6000万世帯を2011年までには光化しますよ、期待してください、田舎まで責任を持ってファイバを敷きますよ、という構想なり計画がNTTから示されているのであれば、
光回線を前提としたIPマルチキャスト放送に照準を当てても文句を言う住民は少ないでしょう。
しかし、2010年までどんなに頑張っても国民の半分にあたる3000万世帯には光サービスできません、ということですから、難視聴に悩む住民には迷惑な話です。

難視聴住民対策をだしにして、都市部でBフレッツを売りまくりたい、と取られても仕方ないでしょう。
都市部で儲けてそれを原資に田舎にも光ファイバーを敷いてIP放送によって難視聴を解消しますよ、というのが2005年7月の歴史的な総務省答申の本質だと思っていたが、
NTTさんはその答申を無視して田舎を見捨てて儲かる都市部でしかIP放送をやらないようだ。民間会社だから仕方ないそうです。
放送の難視聴解消の責任は第一義的には放送局、とまで言いましたから、それが本音でしょう。

ということで、他社がやらないのなら、JANISが挑戦しましょう、ということで、
H.264でエンコードしてメタル回線で配信し、3万円程度のSTBでハイビジョン再送信できるシステムを放送局の協力で実験したいわけです。
すでに実験用にH.264エンコーダとSTBは調達できる目処がついている。
STBは6月8日、9日のフェアで多くの皆さんに7Mbps以下で動く画像をお見せしたとおり。
この理念に賛同してくれる放送局が必ずや協力を申し出てくれることを願っています。
サテライトを建てるお金は出せなくても、HD-SDI信号なら出せるのではないでしょうか。

セミナーは二番手として、KDDI研究所の小池さんからH.264に関して興味深い技術的解説をいただいた。その話を聞くほどに、MPEG2-TSからH.264へのエンコードは益々非現実的、との印象を受けた次第。

セミナー三番手は小職の栄村事例経過と今後の夢を話させてもらいました。(資料はこのblogの右列にあり)

最後のパネルでは改めて以下の意見を述べた。
 1.文化審議会報告書案は一歩前進。欲をかいたらキリがない。少なくとも難視聴対策としてのIPマルチキャストは有線放送と扱えるので、歓迎。
 2.誰のためのIPマルチキャスト放送化かを考えて欲しい。
   県域放送を前提とした場合は、電波が届く地域に敢えてIPマルチキャスト放送を提供する社会的必要性は少ない。
   IPマルチキャスト方式が社会的意味を持つのは、県域放送という枠をなくす時。
   IPマルチキャスト方式は、キー局の番組を全国各地で見ることができる業界スキームができた時の技術的実現手段。
   逆に言うと、そのビッグバンが怖いので、放送局はIPマルチキャストを認めようとしないのが本音であり、
   難視聴解消対策用のIPマルチキャスト放送については拒否できないはず。欲をかかずに正攻法でいきましょう。
   一方、通信事業者側は、難視聴解消を口実とした、トリプルプレイ売り込み手段になっていないか。
   儲からない田舎でFTTHによる難視聴解消をするために、難視聴ではない都市部でIP放送をして利益を出す、民間企業論理を否定はしないが、
   目的であった田舎の難視聴解消をIP放送で責任を持ってサービスすることを担保すべきであり、田舎を放置して都市部でのみIP放送サービスするのは健全ではない。モラル欠如である。
   通信側がそこまで協力姿勢を示せば、放送局側もIP放送に反対できないはずで、放送局内でのH.264エンコードに協力せざるを得なくなる。
   それすらも拒否するようだと、放送業界は外からビッグバンせざるを得なくなるのはないか。

   結論:全ては視聴者、国民の利益を第一に考えて、業界エゴはお互いに控えるべきである。

投稿者 佐藤 : 16:45 | コメント (1) | トラックバック

2006年06月08日

新世代情報通信フェアに出展

6月8日、9日と長野市メルパルクNAGANOで掲題のフェアが開催されており、JANISも展示会に出展した。
今年は、県WAN受注合戦の最盛期と重なったため、受注に向けて最後の景気付けのお祭りにして、JANISを最大限アピールすることとした。
出し物は以下の通り。

1.県WANへのJANISのアプローチ内容を、川中島有線酒井局長の華麗なナレーション入りで紹介。
  JANISがどういう想いで県WAN構築に取り組もうとしているかをアピール。
  単なる光ファイバー敷設競争でないことをご理解いただきたいものである。

2.H264.AVC方式での1920*1080のHD動画のIPマルチキャスト放送デモ。
  会場の入り口側の遥か遠くでは、民間放送各社が地上デジタル放送のデモをやっている。さすがにきれいである。
  でも、電波の届かない難視聴地域の皆さんには目の毒である。
  そこで、せめてもの救いとして、会場の出口側にブースを出展したJANISは、電波が来なくても
  通信回線があればフルハイビジョン放送をこれだけきれいにIP方式で見れますよ、という近未来の姿を披露した次第。
  帯域は7Mbpsである。しっかりエンコードできればフルハイビジョン放送をわずか7Mの帯域でも驚くほどきれいに再生できるのである。
  リアルタイムエンコードでもこのような画質を確保できるかどうかが今後の課題となるが、H.264という圧縮技術はほぼ実用域に達しており、
  あとはエンコードサーバの処理能力をどこまでUPできるかにかかっている。CPUの高速化の歴史をみれば2年もすれば何の問題もなくなるであろう。
  うまくいけば、ADSL回線でもハイビジョン放送を画質劣化なく見ることが可能となる。
  疑っている方は、明日もフェアがありますので、会場で自分の目でお確かめください。これだけでも来場の価値有り。

3.Web会議システムJanisMeeのデモ。
  このシステムは日本ユニシス情報システム㈱が三井物産㈱と㈱ブイキューブブロードコミュニケーションとで協同で開発したもので、
  JANISはそのOEM供給を受けて自社ブランドでASPサービスを予定している、パソコンを使った多地点ブロードバンドコミュニケーションシステムである。
  赤坂のフェア会場と香港と米国ロサンゼルスと渋谷と長野をつないでのデモンストレーションを実施。
  県WANを受注したら、県庁と各市町村や各出先機関間をWeb会議するシステムとして納める予定であり、
  多くの皆さんにその操作性を実感していただきたいものである。

4.超小型映像配信サーバとその管理システムのデモ。
  このシステムはNECさんが開発したもので正式発売直前のピカピカの新製品である。
  タバコ2つくらいの大きさの小型サーバにLinuxをベースとしたWEBサーバ機能その他が詰め込んであり、外部カメラやセンサーやスピーカなどを入出力できる。
  画期的なことは、有線LANだけでなく無線LANやPHSやFOMAなどのモバイル系でも接続できることと、サーバ本体価格の安さであろう。
  水位監視や地滑り監視や雪崩監視など防災用に使える他、様々な監視用途にも使えるはずである。
  センター側から集落に対して音声出力端子を介してスピーカに音声同報も可能であり、防災無線用にも利用可能ではないかと思われる。

5.ADSLでも十分実用的な簡易テレビ電話システムTeleBB1000のデモ。
  こちらは3回目の出展となったが、聴覚障害者の皆さんが手話用に使える、ということで再度展示した次第。
 電話がかかってくると付属のフラッシュが点滅し、聴覚障害者に優しい機能が付加され、レンズも高性能化して画像が一層きれいになった。

今年のJAINSブースは例年になく垢抜けし、やっと一人前の事業者として皆様に商品をご案内できるまでになった。
お祭りは賑やかなほうが良いではないか。地域情報通信事業者もまだまだ捨てたもんじゃない。
  

投稿者 佐藤 : 19:06 | コメント (0) | トラックバック

県WAN提案内容

6月6日に県庁で選考委員の皆さんの前で県WANのプレゼンをしてきた。
100ページを45分で説明するのであるから、駆け足にならざるを得ない。
JANIS提案内容が他社とどう本質的に異なるのか、十分ご理解いただけたか、心配ではある。
お約束どおり、ここで、JANIS案のポイントを列挙してみたい。

1.提示された公共分野のアプリケーションニーズを満たすだけのミニマムの構成を組んで費用を最小化しないと
  価格重視の入札では勝てないことは承知しているが、それでは公共専用ネットでしかなく、220万県民のためのネットワークとはならない。
  JANISは今回提示以外の利用者にもブロードバンドサービスを提供可能なインフラとした。
  それが長野県のためであり、我社のためでもあると信じて設備投資したが、入札で勝つか負けるか、結果は14日に出る。

2.既に全県下でMPLS-VPNサービスを提供しているが、今回は警察関係からレイヤー2以下でのサービス提供を、
  という条件がついたため、レイヤー2サービスも可能な広域イーサネットシステムとした。
  5年前から拠点数では全国でも最大規模のMPLSネットを稼動させているが、顧客ニーズがレイヤ2である以上、
  そのサービスも用意しなければならない。
  うわさによると、他社はレイヤ3機能を網サービスとして組み込んでいるとか、、
  真偽のほどは分からないのでこれ以上のコメントは差し控えておきたい。

3.広域イーサネットシステム構築にあたっては、ループ回避、ARPトラフィック削減、レイヤー2でのトレース機能、
  レイヤー2でのpingが可能となる、EoE機能を有する国内で最も稼動実績のある日立電線製のApresiaシリーズを選定した。
  EoEあるいはMACinMAC機能をどう評価するか、審査員にその意義が伝わったかどうか。

4.駐在所などを除けば、ほとんどの拠点は複数ネットワークが存在することから、各拠点でネットワークを多重収容するために、
  拡張VLANスイッチを末端まで設置し、そのスイッチまでを事業者管理とした。
  これにより、ユーザは業務追加の都度回線や機器を追加する必要がないだけでなく、
  ユーザ側LANでIEEE802.1QのVLAN運用をしたままそれらのVLAN間通信をすることもでき、
  もちろんユーザ側LANで.1Q運用をしなくとも、拡張VLANスイッチでVLAN化してくれるのである。
  通信事業者が局にて管理するスイッチを全ユーザ拠点まで張り出した、と考えていただきたい。

5.県内基幹回線は4プール構成とし、速度は需要に応じて増速できることから、当面は2ギガないし10ギガbpsとした。
  いずれもNTT局間中継光ファイバを借りて、19局に高速コアスイッチを設置し、
  障害発生時にはMMRPリングプロトコルにて瞬時に逆回りに切替わるようにした。
  すでに半年以上JANISで稼動しているがこれまで障害は皆無である。

6.19局の基幹局から周辺の一般局までは、1ギガbpsで11ループの支線系回線を構築。
  この支線系回線もNTT局間中継光ファイバを借りて、73の一般局にエッジスイッチを設置した。
  支線系ループにもMMRPを適用し障害時に逆回りで基幹局コアスイッチに到達できるようにした。
  当たり前といってしまえばそれまでであるが、地方では出し渋り気味のNTT局間ダークファイバを、パズルを解くようにして
  なんとかループ回線を設計し、安全性を高めた次第。

7.局から拠点までのアクセス系回線は可能な限り光回線とした。
  二重化を要求している拠点には、光+光のアクセス系二重化と、光+メタルのアクセス系二重化まで対応した。
  回線が二重化してあっても収容局のスイッチが同一では故障時に両系とも切断となるので、
  各アクセス系回線はMMRP接続した異なるスイッチに収容した。
  そこまでやるの!という議論もあったが、二重化拠点は限りなく全経路、機器を別々に用意した。

8.不正アクセスやDDos攻撃対策として、IPSやIDSを要所に設置し、しかもその監視をラック社のJSOCに支援してもらうこととした。
  最強のプロ集団の援軍を得て迅速な対応を取ることとした。
  セキュリティイはどこまで対策してもキリがないが、生半可な対策では効果が出ないことも事実。
  わが社だけではネット上の脅威を防ぐにはパワー不足と判断し、プロ中のプロに依頼した。

9.局から5km8km先の、Bフレッツなど10年先までサービスされないような山奥にある公的施設も今回の接続対象拠点となっている。
  そこまで光を敷けば1000万や1500万円はかかる。
  当面は最大利用可能速度が1メガbpsで最低でもその10%程度は確保、というのが県の仕様である。
  さて、ここで迷った。
  当面は1メガbpsや100Kbps程度しか利用しない拠点に対して、他社は「全て光化します」との回答らしいが、
  数億円以上のお金をそこに費やして、誰がその費用を負担するのか冷静に考えて、  JANISは敢えて、
  県民の税金からなる事業のコストを下げるべし、という判断から、「全ての光化」はあきらめ、
  相応の速度しか要求しない一部拠点にはメタル回線も使うように設計した。

  結果、入札価格は相応に下がったわけであるが、開札前なのでその効果をご理解いただけない審査員からは
  「光化が基本方針のはず。NTTから借りればいいではないか」と攻めてきた。
  DSLの老舗であるJANISとしては、光化至上主義を単純には受け入れられない田舎の事情を憂慮して
  随分前からTTCにてSHDSLモデムの社会的価値を訴え続けてきたこともあり、
  まだ利用価値のあるメタル回線を複数本束ねて高速化できるモデムを利用することとした。
  しかし、ADSLは品質も速度も出ないのではないか、というごもっともな質問をいただいた。
  そこで、弊社が使用する業務専用のSHDSLモデムの速度グラフを示してご説明申し上げた。

  ちなみにTTCで速度競争論を展開していたDSL事業者はどこもこのSHDSLに興味を示さなかった。
  光を敷けない田舎でしか利用価値がなく、大手DSL事業者は儲からない田舎は眼中にないので、当然ではある。
  全国隈なくBB化とか、UIBN構想とか総務省も世界一を目指して頑張ってくれているが、
  地域間格差を拡大させないために、田舎の通信事業者や利用者はもっともっと知恵と汗をかかなければならない。
  自分たちの環境は自分たちで何とかしなければ置いてきぼりを食うのである。
  
  光がメタルよりいいことは誰だってわかっている。
  問題はその敷設コストをどう回収するかであり、だからNTTだってあれだけ大宣伝しているBフレッツを
  儲からない田舎では一切エリア拡大しないのである。あと4年経っても3000/6000万世帯しかカバーできない。
  入札で競争させれば、競争原理が働いて山奥まで光ファイバを敷くはずだ、という発注側の期待は理解できるが、
  わが社は敢えて、その分を県民の税金負担軽減に転嫁させていただくこととした。
  このことで審査委員の評価点数が下がり、受注できなかったとしたら、正義の負けであり、資本力の負けである。

最後に所感を。

  今回の県WANはそもそも、県民のための情報基盤整備を、という平成13年召集の研究会提言を受けて
  やっと実現するものである。その精神は、県内のあらゆ利用者が享受できるネットワーク整備であった。

  今回の県WAN仕様は、そのうちの公共ニーズに絞った整備であり、県主導の公共ニーズを需要の下支えにして
  各通信事業者が自社の通信基盤を整備し、その基盤を生かしで県民への通信サービス拡大を図って欲しい、
  というのが、県側の期待である。
  そのため、県WAN受注事業者は自社が受注したらどういう波及効果が出てくるかの提示を求められており、
  その配点が非常に高いのである。

  600箇所の公共拠点に光ファイバを敷設して公共機関への高速通信サービスを提供できる副産物としては、
  なんといっても県内全市町村までの通信網整備が挙げられ、結果、全県、全局でレイヤ3サービスに加えて、
  レイヤー2広域イーサネットサービスをご提供できることが我が社にとっての最大の県民への波及効果で
  ある。
  
  裏返すと、これだけでは、局から家庭、会社までのアクセス系光回線整備ができたわけではなく、県WANを受注した
  からといって、一気にFTTHエリアが増えるわけではないのである。山の中まで光回線を敷設できる効果は
  それほどないのである。そのことは6日のプレゼンの時に何度も正直に申しあげた。
  
  しかし、県WANを受注できれば一気にFTTH化をすすめられる、と胸を張った事業者があったそうである。
  そういう張ったりは我が長野県の選考委員の皆さんには通用しないと信じたいが、どうだろうか。
  公共拠点は、単純平均すれば、1市町村には600÷80=8拠点であり、
  そこへの光回線敷設のついでに集落全体への光回線敷設が副産物として出てくることはあり得ない。
  駐在所に光ファイバを1本敷いたら村全体のFTTH化が進む、と言っているのと同じである。
  そんなに簡単にFTTH化が進むのであれば、2010年を待たずに、我が長野県はあっという間に
  全地域でBフレッツサービスが可能になるはずだ。

  もしそれが事実なら、公共ネット先行による全県光化という信州方式の秘策が全国に広まるであろう。
  そして、それば同時に、資本力のない地域通信事業者はどう頑張ってもNTTなど大手には勝てないという
  全国の地域ISPに対する死刑宣告でもあるのである。
  競争のない一社独占の社会がばら色かどうか、JANISが今回挑んでいる戦いは
  これからの日本の通信サービス業界の縮図と言えなくもない。大袈裟すぎたか。。

  知恵を出し汗もかいたが、圧倒的な資本力の差で撤退となるのはまことに不本意である。
  地獄の沙汰も金次第、全ては14日の開札にかかっている。
  勝ったら、JANISを褒めてやってください。

スライドは100ページありますが、公開できそうなものを選んでUPしました。
21枚のスライドpdf
  

  

投稿者 佐藤 : 00:00 | コメント (1) | トラックバック

2006年06月03日

JANIS事業の感謝慰労会

久しぶりのblog更新である。
ここ数ヶ月は、県WAN受注対策に時間をとられて、寝る時間も惜しい程の生活をしていた。
5月30日に100ページからなる提案書と、入札価格を無事提出できた。
6月1日には、その提案書作成の慰労も兼ねて、お世話になった各企業の皆さんにお集まりいただき、
以下の趣旨で、100名ほどで盛大な感謝慰労会兼県WAN受注決起大会を開催した。
 JAオンライン用X.25自営パケット網が実に14年間稼動し5月2日で引退。
 JANISネットが平成9年にサービス開始以来、10周年。
 JANISネットが平成11年に全国初の商用ADSLサービスを開始以来、7年。
 JANISネットが平成13年に自営MPLS網にて稼動以来、5年。
 JANISネットが日経地域情報化大賞2005でインターネット協会賞を受賞。
 JANISネットの県内基幹網が、広域イーサネット基盤上にて安定稼動中。
 JASTEM金融オンライン端末(未だにX.25)が、5月8日からIP変換装置経由でJANISネット上で無事稼動。
 そして、新たな事業としての県WAN受注に向けた提案書完成。

過去を振り返って感慨にふけるのはリタイア後の楽しみにとっておこうと思うが、
NEC製のX.25自営パケット交換機NP140、NP130、NP120が14年間稼動できたことは特筆である。
世の中ブロードバンドだなんだかんだ言っても、金融オンラインのトランザクション処理が必要とする帯域はしれており、
設計思想とハードウエアと保守体制がしっかりしていたので、通常の2サイクル分以上も稼動できたのである。
この交換機は博物館行きにしたいくらい、JA長野県にとっては感謝感謝の通信機器であった。

時代はX.25からTCP/IPに代わり、そのIPネットワークも、MPLS網に加えてレイヤー2の広域イーサネット上にて稼動しつつあり、JANISネットの歴史はそのまま通信技術の進歩の歴史とも符号する。

X.25ネット構築以来、14年間、多くの皆様のご支援で今日まで来ることができた。
14年前にX.25構築のキックオフ会でNECの都筑部長さんにお言葉をいただき、
14年後の慰労会でその現執行役員の都筑さんからご挨拶いただけたことは実に感慨深いことである。

そのほか、SI業者としてJANISを支え続けてくれた、NTT長野支店の佐野支店長さんにも
いろいろな立場があるなかでご列席いただき、ご支援のエールをいただいたことに感謝申し上げます。
NTTのJA担当チームは、JANIS支援の功績で、なんとNTT東日本社長表彰を受賞されました。

DSLモデムベンダーであるソネットの小林代表取締役からは、東京メタリックの裏話やSBB孫社長とJANISとの関係など、
業界関係者にとって酒の肴になりそうなエピソードをいくつも披露していただきました。

そして、次のJANISネットを支える中核機器となる広域イーサネット用スイッチをご提供いただいた
日立電線の西山事業本部長さんからも、全面的ご支援のお言葉をいただき、感謝申し上げます。

ということで、2006年6月1日の弊社ネットワーク事業慰労会は、盛大な決起大会となって閉会した。
これからのJANISネットの運命は、6月6日のプレゼンと、6月14日の開札にかかっているのである。

投稿者 佐藤 : 14:49 | コメント (0) | トラックバック