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2005年09月30日

CATV業界の地デジIP再送信への抵抗の根拠に疑問

9月30日の日経産業新聞に、日本ケーブルテレビ連盟唐沢理事長のインタビューが掲載されている。

1.CATV業界は、地域密着型のコミュニティーチャネル数を増やす手段としてIPを利用できないかという技術的な検証に取り組んでおり、放送と通信の融合には積極的であり、守旧派ではない。
  <== ローカル情報はサーバに蓄積しVODで配信、という方向に大賛成。
       今時のCATVはどこもインターネットサービスをしているので、VODサービス環境はある。
       常時4Mや10MでのアクセスにCATV網が耐えられるかどうかの問題もあるが、
       技術的というより、営業的な検討段階かと。
       県内CATVが大同団結したVODサービスを開始すれば、ローカル民放に匹敵する放送局になるのに。。

2.IP再送信は伝送遅延が起きないのか。 
  <== 何秒の遅延までなら許容範囲なのかが不明。
       現状のBSデジタル放送だって、時報レベルでは遅延が生じている。
       防災・災害情報が、仮に5秒遅れると問題が出るのだろうか。
       遅延問題はいつも引き合いに出されるが、反対のための口実にしか聞こえない。

3.SDでの配信実験は技術的な後退であり、地上デジタル放送の意義を損ないかねないので、2006年からのSD再配信実験は不要だ。
  <== 2011年7月24日時点で難視聴を0%にしない限りアナログ停波はできない。
       サテライトも建てられない田舎でCATVサービスを保証してくれますか。
       その時、HDは無理でもSDなら可能というIP再送信を否定できますか。
       最後の手段を今から不要と誰が断言できますか。

4.光通信網の敷設を担う通信会社がIP再送信をきっかけに放送分野に参入するのは当然だが、巨人NTTが参入すると、CATVや地域放送局は致命的な打撃を被り、ドミナント規制の精神に反する。
  <== NTTが再送信に参入することと地域放送局の存続とは別の話だと思うが、
       通信分野のドミナント規制の視点からみても、この意見には大賛成。
       
       そもそも、今回の審議会答申の本質はNTT支援にあり、難視聴対策はその口実に過ぎないことを
       見抜かなければいけない。
       従って、都市部でのIP再送信を認可する前提として、条件不利地域での難視聴解消IPサービスを
       義務付けるべきである。
       その義務を果たすのなら、ドミナント化反対は引っ込めざるを得ない。

       でも、今のNTTにそういう使命感と責任感と体力があるのかどうか。
       Bフレッツですら、儲かる地域と儲からない地域を選別している段階で、
       2010年でも3000/6000万世帯しか光化しない方針のようですから。
       (だから、難視聴でもない儲かる都市部でのIP再送信事業で稼ぎたい)

5.放送空白地帯を作らない最後の手段としてIPを活用することは否定しない。
  <== これは当然です。民放連もNHKも最後の手段までは否定していません。
        つまり、総論としては、IP再送信実験には反対できないということ。

6.現在都市部の難視聴対策のほとんどは、CATVが担っているので、地上デジタル放送対策も同様にCATV活用を第一に考えてほしい。
  <== 家庭までのFTTHサービスが徐々に普及して、100Mや1Gの通信帯域を使った
       インターネットやIP再送信が可能となっても、まだWDMによるRF信号送信に拘る必要があるのでしょうか。
       業界を守るということと、利用者に最適なサービスを提供することは必ずしも一致せず、
       CATV第一義というご意見は、市場に受け入れられるとは思えません。
       通信と放送の融合問題は、放送業界に意識改革を迫るとともに、それに「おんぶに抱っこ」だったCATV業界にも
       意識改革を迫るものです。
       もちろん、県域免許制のほころびを隠し続けてきた総務省にも。


総務省の南課長さんが「(進歩の激しい技術や規格は)市場が決めること」とニューメディア誌主催の公開座談会で表明されたとのこと。
市場とは利用者であり、地域住民であるとするならば、
テレビのデジタル化移行そのもの論、HD品質だけかSD品質でも構わないか、光ファイバーだけでなくADSLやTD-CDMAはどうか、などについては、利用者である地域住民にその選択権を与えて欲しいものである。

どうしても2011年7月に拘るのであれば、条件不利地域でのCATV化やFTTH化支援に莫大な血税を投入せざるを得ないが、それが不可能というのであれば、ADSLでのSD再送信という選択肢もある。H.264/AVCはHDのみならずSDでも使える。
あるいは、集落まで光ファイバで伝送し、そこに簡易中継局(ギャップフィラー)を設置して周辺を無線でカバーするという新しい組み合わせも検討の余地がありそうだ。

特定の企業や団体の利益確保という次元を超えて、この国のユニバーサルなテレビ放送環境構築に向けて、エゴを捨てて知恵を出し合うべきだ、と改めて強く感じる。

投稿者 佐藤 : 20:38 | コメント (0) | トラックバック

2005年09月27日

『あるものは何でも使おう』の精神でブロードバンドを整備

【CANフォーラム共同企画】地域情報化の現場から 第22回
 「『あるものは何でも使おう』の精神でブロードバンドを整備~長野県協同電算(JANIS)の挑戦~」

こういうタイトルのレポートを、日経メディアラボ所長/慶応義塾大学大学院特別研究教授の坪田さんと、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程の藤井さんからいただきました。以下の日経デジタルコアのHPにあります。

http://www.nikkeidigitalcore.jp/archives/2005/09/22janis.html 


読んでいて、気恥ずかしいくらいにヨイショが多いのですが、
これまで「信州ユニバーサル・ブロードバンド・サービス」をどうやって手塩にかけて育ててきたかの一端を紹介してもらえました。
本邦初の地上波放送IP再送信サービスを実証実験中の栄村をご案内して、
難視聴に悩む地域の実態とIP放送の有効性をご覧いただいたついでに、
JANISのブロードバンド事業の経過を知ってもらった次第。

我々にとっては必然であった 法人向けのビジネス用通信施設のマス向けサービスへの利用。
だが、そんな発想や行動をとった事業者がこれまでは存在しなかったようだ。

藤井さんからは、今後のユニバーサルサービスへの叱咤激励をいただいた。
そうなると、どうしてもこの事業を不動なものにしたくなる。
全国どこにもない、地域完結型、地域情報化事業。期待していてください。

この続きは、10月3日の日経新聞全国版でご覧下さい。

投稿者 佐藤 : 23:55 | コメント (0) | トラックバック