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2005年08月19日
難視聴住民を棚上げして、放送業界も通信業界も自らの利益確保という見苦しい争い
8月17日の日経産業新聞に、多部田記者の栄村IP放送取材レポートが掲載されている。
多部田さんは本社に戻る前は長野支局にいて、いろいろと御世話になった間柄。
JANISの佐藤は「商用サービスへの移行を早急に検討する」と意気込んでいる、とあるが、
それほど強行ではなく、
「商用サービスへの移行に向けて、いくつかの新たな準備を開始したい」ということ。
再送信同意を得られた後の事業スキームの準備を開始した、といったところである。
民放連の日枝会長の「難視聴地域では補完的手段としてIP方式を容認する」方針を受けて、
結果的に難視聴を放置してきたローカル局がどんな反応を示してくれるか大いに期待していたが、
残念ながらローカル局幹部発言からは新しいフェーズに突入した、という感触は伝わって来ない。
あの記事を読む限り、審議会答申も日枝会長発言もご存じない、と思わざるを得ない反論である。
これまで何度も交渉してきたが、そのたびに放送局の主張が異なり、遺憾なのはむしろこっちの方である。
最初は、「総務省がIPマルチキャスト方式を放送と認知しないので、再送信同意対象にならない。」
そこで対抗策として構造改革特区を申請をした。
その総務省回答は、「IPマルチキャスト方式は通信役務利用放送である」ということで、放送ではないから土俵に上げられない、との門前払いができなくなった。
(IPマルチキャスト方式による放送は電気通信役務利用放送法における登録の対象としてなんら排除されているものではなく、事実誤認である。との総務省回答)
そしたら、今度は「民放連がIP方式を認めないと決議したので、ローカル局としては
再送信同意したくてもできない」との回答に変わった。キー局判断を盾にしてきた。
そこで、村は県と一緒に民放連とも交渉したが、当時は進展しなかった。
当時、放送局側がIP方式を認めない理由は以下であった。
1.番組加工の可能性
2.画質、音質、文字多重、副音声を含めた、同一性保持ができるかどうか
3.再送信対象エリアが放送エリアを越えないか
4.権利処理問題がどうなるか不透明
5.番組の不正コピー
十分な難視聴対策をせず、結果的に放置してきたローカル民放さんにこのような反論をする権利があるのでしょうか。
何れも栄村での地上アナログ放送のIP再送信を拒む論拠としては弱いものばかりである。
そうまでして難視聴対策としての特例すらも拒む最大の理由は、上記のような技術的課題でなく、(これは言い逃れの材料に過ぎない)
まさに日経産業新聞に書かれているとおり、「放送業界のスキーム崩壊阻止」という経営問題である。
地域別免許制度の上に築き上げてきた放送業界のスキームが、IP方式という新しい技術により
改善、改革、あるいは解体を迫られてくることへの、自己防衛策としての同意拒否である。
自らの業界、会社の利益を維持するためには、
難視聴地域住民のテレビを観たいという切実な願いは無視せざるを得ない、という経営判断のようだ。
しかし、それは明らかに過剰防衛であり、補完的なIP再送信を認めたからといって、民放さんが即潰れるわけではない。
キー局番組の再送信に頼っているだけだと確かに存在意義は小さくなるであろうが、
ローカル局としての特色ある番組作りという最後の砦があるではないか。
一方、難視聴対策をだしに全国でFTTHによるIP放送をごり押ししようとする情通審議会答申も強引過ぎる。
一気に本丸を攻めようとするから、放送業界のガードが固くなってしまうのである。
難視聴地域住民を棚上げして、放送業界も通信業界も自らの利益確保という見苦しい争いをしている。
投稿者 佐藤 : 2005年08月19日 12:32
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コメント
毎日新聞全国版の1月11日朝刊に栄村事例が紹介されました。
暮らし豊かに役立つページという生活面で、
テレビが消える日、という特集の4回目の記事。
題して、「放送」か「通信」か インターネット使った難視聴解消。
「山間地見捨てておいて”違法”とは」。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/katei/news/20060111ddm013100067000c.html
どうして放送局が再送信同意に応じないのかについて、地元長野放送の専務さんが、「本音」を語ってくれています。
「県境を越えて見られるようになれば、地元テレビ局の視聴率が下がり、我々の経営基盤にかかわる」とのこと。あまりにも正直なコメントで、専務さんのお人柄がわかります。
でも、それは難視聴放置民には通用しないでしょう。
投稿者 佐藤 : 2006年01月13日 17:27
2chに栄村支援?のスレができた。
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1137200999/l50
さすがに2ch。誤解が多いようですので補足しておきましょう。
IPマルチキャストは自動公衆送信ではないこと、
第4次の特区申請時点では総務省は判断を回避したこと、
JANISはIP利権でやっていないこと、
JANISってエロゲーメーカー、ではないこと、
CATV敷設は費用面で非現実的であること、
中継アンテナ設置は、地上デジタルでもしないことが判明していること、
IPマルチキャスト放送は帯域を食わないこと、
村も、協同電算も政治とは関係ないこと、
通信役務利用放送法には、大臣裁定制度がないこと。
世論、マスコミの後押しに期待してます。
投稿者 佐藤 : 2006年01月16日 14:36
栄村の秋山郷は豪雪で道路が寸断されたため、国、県、自衛隊などみんなでその復旧に立ち上がっている。
道路寸断で新聞は届かず、住民の情報入手はテレビと村の有線放送と有線放送ADSLインターネット。
NHKは秋山郷までサテライトを設置しているため、長野放送局波を観ることができるが、県内民放4局は何れも未対応のため、長野県の民放ニュースは一つも観れない。
そこで、新潟から洩れてきた電波を共聴アンテナで受信し、そこから各戸にケーブルを引き込んで新潟波を受信している。
長野県民ではあるが、テレビ文化面では新潟県民といえなくもない。
住民にとっては、長野波であろうと新潟波であろうと、観えることが重要であり、県域免許制度の矛盾はこの際関係ない話であり、行政も業界もこの矛盾は意識して見逃している感がある。その対処策を否定するつもりもない。
しかし、長野県内のニュースは新潟波からは入手し難いし、長野県内の新聞のテレビ欄には新潟波情報はない。
どっち付かずの生活基盤、慣れてしまえば気にならないのだろうか。私の頭では想像できないし、耐えられない。
以下は、長野県の公式HPに出ている部長会議録。
住民の視点に立って考えることが重要である。
http://www.pref.nagano.jp/keiei/seisakut/bukaigi/060119.htm
投稿者 佐藤 : 2006年01月24日 18:39
県が栄村秋山地区の民放テレビ難視聴解消に向けて動き出した。
1月19日の部長会議に引き続き、1月26日には、県内民間放送4社に対して再送信同意(拒否)に関しての見解を照会した。
http://www.pref.nagano.jp/kikaku/jousei/broadcast/eliminate_areas.htm
投稿者 佐藤 : 2006年01月30日 16:17
1月30日の朝日新聞によると、知的財産戦略本部は、IPマルチキャスト配信を著作権上の有線放送に位置付ける、という明確な定義をする法改正を提案することになったとのこと。
http://www.asahi.com/digital/internet/TKY200601290224.html
もともと、条文の国語的解釈では、IPマルチキャスト方式は著作権上で放送と解釈できる、というのが我々の主張であるが、
その部分を明確にして、著作権上も放送と位置付けられることとなるので、強力な追い風である。
しかしながら、著作権主張が強い文化審議会でどういう議論になるか、音事などの業界がどう抵抗してくるか、まだまだ安心はできない。
投稿者 佐藤 : 2006年01月30日 16:36
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